イエメン
イエメンはアラビア半島の最南端にあります。北部にはサウジアラビア、東部にはオマーンと国境を接しています。
コーヒーの栽培は標高1000〜2000mの西部の山岳地帯と中部の高原地帯で行なわれています。
モカ・マタリ
イエメンのコーヒーといえば、モカ・マタリが有名です。
モカ・マタリは西部のバニー・マタル地区の段々畑で栽培されています。
モカ・マタリは芳醇な香りと酸味、やわらかな苦味が特徴です。焙煎度はハイローストからシティーローストが適しています。
モカコーヒーについて
モカコーヒーは世界的に有名ですが、これは1種類の豆を指す言葉ではありません。
イエメンとエチオピアは紅海を挟んで向き合っている国ですが、どちらでもコーヒーが栽培されています。イエメン産のものは「モカ・マタリ」、エチオピア産のものを「モカ・ハラー」と呼びます。
これら二つのコーヒーを総称したのがモカであり、それはイエメンの港町、モカ港に由来します。モカはかつて欧州にコーヒーを出荷するための港として栄えました。
ギシルコーヒー
イエメンには私たちにおなじみのコーヒーのほかに、ギシルとよばれるコーヒーがあるのをご存知でしょうか。
ギシルはコーヒー豆の皮殻を用いた飲料であり、煎ったコーヒー豆の皮殻にシナモンやジンジャーなどのスパイスと砂糖を加えて煮出したものです。
イエメンではコーヒー豆のほとんどが輸出されるため、コーヒーの皮殻を使う方法が誕生したのです。