コーヒーの精製法
コーヒーの収穫が終わったあとは、摘み取った果実から種子を取り出して生豆にします。1kgの生豆を得るのに約5kgの果実が必要であるといわれています。この工程は精製と呼ばれます。
コーヒーの精製法には乾燥式と水洗式、半水洗式の三つの方法があります。
- 乾燥式(アン・ウォッシュト)
- 水洗式(ウォッシュト)
- 半水洗式(セミ・ウォッシュト)
1、乾燥式(アン・ウォッシュト)
乾燥式の場合、摘み取ってすぐのコーヒーの実を乾燥場に広げます。そして、1〜2週間ほど天日にさらして自然乾燥させます。それから脱穀機にかけて乾いた果肉とパーチメントとシルバースキンを取り除きます。
乾燥式(アン・ウォッシュト)が用いられるのはブラジル産のほとんどと、エチオピア、イエメンなどです。
天候の影響を受けやすかったり、欠点豆や異物が混入しやすいというデメリットがあります。
2、水洗式(ウォッシュト)
水洗式では、収穫した実を運河状の水路で流しながら、浮いてきた不純物や未成熟な豆などを取り除きます。それから、機械によって果肉と内果皮に分けます。この後、水槽で未成熟豆を除去し、次に発酵槽でぬめりが取り除かれます。最後に、水洗いしてから天日や乾燥機で乾燥させます。
水洗式は乾燥式にくらべると、豆の色が美しく、また異物の混入も少ないというメリットがあります。
水洗式(ウォッシュト)が用いられるのはコロンビアやメキシコ、グアテマラなどコーヒー生産国の約7割にものぼります。また、一般的に高級豆の精製には水洗式が採用されているともいわれています。
3、半水洗式(セミ・ウォッシュト)
半水洗式(セミ・ウォッシュト)は、乾燥式と水洗式の中間型です。収穫したコーヒーを水洗いし、機械を使って外皮と果肉を取り除きます。それから天日で乾燥し、さらに機械乾燥をして仕上げます。
水の使用量が比較的少ないので、排水で環境を汚染しにくいというメリットがあります。