ブラジル
ブラジルは世界第一位のコーヒー生産国です。世界的なコーヒー産業の巨人ともいえる国でしょう。
今日、世界のコーヒー需要の3分の1以上をブラジルが満たしています。ブラジルには4千万本以上のコーヒーの木があって、コーヒー農園の面積はヨーロッパ全体の面積の5分の4を占めるほどです。
このページではブラジルのコーヒーの変遷と、その特徴について詳しくみていきます。
ブラジルのコーヒーの歴史
1727年に最初のコーヒーの木がパラー州に植えられました。
初期のコーヒー産業はその労働力を奴隷に依存していました。19世紀の初頭には150万人もの奴隷がブラジルに連れてこられたといわれています。ブラジルにおいて奴隷制度は1850年に廃止されました。その後、コーヒー農園の所有者たちはヨーロッパの移民たちを労働力としてより多く活用するようになったのです。
ブラジルには砂糖や金といったコーヒー以外の産業もありましたが、国の産業化という意味ではコーヒーが果たした役割はとても大きいものでした。
コーヒー産業が発展していくにつれて、ブラジルに移住する移民たちの数も増えていきました。サンパウロはかつてとても小さな町でしたが、発展途上国の都市の中でも産業の中心地になっていったのです。
サンパウロには1850年代には3万人ほどしか居住していませんでしたが、人口は増えていき、1890年には7万人、1900年には24万人になりました。1930年にサンパウロの人口は100万人を超えました。サンパウロはリオデジャネイロをしのぐ、重要な産業の中心都市となっていきました。
日本人移民
ブラジルのコーヒーの歴史と、日本人移民とは深い関係があります。
1908年に笠戸丸で日本人約800人がブラジルに渡りました。その後の移民の数は約30万人にものぼっています。
コーヒーの主要な産地であったミナスジェライス州では機械化を推進したのは日本人移民でした。
日本人移民の多くがブラジルのコーヒー産業の発展に寄与したのです。
過去に起こった霜害と水不足
ブラジルでは大規模な霜害が1975年と1994年の二度にわたっておこりました。また、2001年には水不足もあって、そうした霜害や水不足といった問題は、世界のコーヒーの価格を高騰させえる原因にもなりました。
今日におけるブラジルのコーヒー産業について
コーヒー生産地で有名なのはサンパウロ州、ミナスジェライス州、パラナ州などです。
乾季の6月から9月にかけて収穫が行なわれます。
他のコーヒー生産国と同じように、ブラジルもとても多くの人々がコーヒー産業に携わっています。350万人ほどの人々がコーヒー産業に従事しています。
等級について
等級は、一定量の中にどのくらいの欠点豆が含まれているか、豆の大きさ、味によって格付けされます。
ブラジル・サントスNo.2
ブレンドコーヒーのベースとして使用されることが多い銘柄です。
ブラジル産の豆はサントス港から出荷するためにこの名前がついてます。No.2というのはブラジルの輸出規格による等級です。No.1は存在しないので、実際には最高級品になります。
味のバランスがよく、クセの少ないのが特徴です。コロンビアの豆とブレンドするとまろやかな苦味が一層引き立つでしょう。さっぱりした味を求めるならアイスコーヒーが向いています。
焙煎の度合いはハイローストからシティローストが適しています。