日本で最初のコーヒー店、可否茶館

日本で最初のコーヒー店、可否茶館

日本で最初の本格的なコーヒー店は、日本人の鄭永慶(てい・えいけい)が1888年、東京上野の西黒門町に開いた「可否茶館(かひちゃかん)」でした。

 

鄭永慶は欧米留学中に見たコーヒー店を参考にして可否茶館を開店しました。

 

コーヒー店の開業にあたって、鹿鳴館のように単に表面的に西洋文化を真似るのではなくて、鄭永慶自身が留学中に感じたように、一般庶民がコーヒーを飲みつつ、文化を育めるような空間をつくりたいという思いがあったようです。

 

可否茶館では、コーヒーは1杯1銭5厘で供され、牛乳入りコーヒーは2銭でした。ちなみに、そばが1杯8厘の時代ですので、コーヒーは決して安い飲み物ではありませんでした。

 

結局、鄭永慶が日本で初めて開店したコーヒー店は、毎月赤字経営が続き、時代を先取りし過ぎたということもあって、失敗に終わってしまいました。鄭永慶は家を捨てて米国シアトルに逃亡後、病が再発し、1895年に客死しました。


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