ニカラグア
ニカラグアでのコーヒー栽培は、マラグア近郊のカラソ台地で最初に行なわれました。19世紀半ばになると、ドイツ人の入植者を中心としてコーヒー栽培が本格化していきました。
当時のコーヒー豆を輸送する手段の中心を担ったのは鉄道と蒸気船でした。国営鉄道がグラナダとコリント間を結び、蒸気船はニカラグア湖とサンフアン川を走ったのです。また、ニカラグア政府もコーヒー栽培農家を積極的に援助しました。
コーヒー豆の大半はアメリカ合衆国ではなくて、ヨーロッパに輸出されたのですが、これには理由がありました。輸送費がアメリカ合衆国に輸出するよりもヨーロッパに輸出したほうが安く済んだことと、ヨーロッパのほうがコーヒー豆が高く売れたからです。
その後、1979年に起きたニカラグア革命は、同国のコーヒー生産に悪い影響を与えました。その後、時間はかかりましたが、生産量は伸びていき、今日では毎年6万トン以上の生産量を誇るようになっています。
コーヒーの産地は北部と中央部に集まっており、特にマタガルパとヒノテガは有名です。
マラゴジッペ
ニカラグアでは、ティピカの突然変異種であるマラゴジッペが栽培されています。マラゴジッペは豊かな香りとバランスのよい苦味が特徴です。ヨーロッパでは特に高い評価を得ている豆です。